カテゴリ:昔話( 4 )

ぼくが「銀」になったワケ〜あとがき〜

今回、この記事を書くのはとってもとっても勇気がいりました。
なんてことない「昔話」だとは思いますが、銀ちゃんがうちに来るまでの話は、正直、私の中では苦しい過去となってしまっていたからです。




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初めて銀ちゃんに会ったのは、引っ越してきた翌月。
右も左も解らない、知り合いさえもいない、そんな孤独な毎日を過ごしていたある日。
どうも近所で譲渡会を開いているというブログの記事を発見したからです。



ずっと、犬を飼いたいと思っていたんですが、ペットショップやブリーダーの現状を知り、また、ブリーダー崩壊による飼育放棄などを知ってから、私は里親になる事を選びました。
ただ、どうしても一歩足が出ない。
命を預かる事が自分に出来るのだろうかと、自問自答を繰り返しては諦める、という日々でした。



見るに見兼ねた旦那が、
「取り敢えず、譲渡会ってどんなんか見に行こうや」
と、背中を押してくれ、気持ちは沈んだままでしたが、会場に出向く事になりました。



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会場には、犬五匹、子猫二匹のみ。
でも、住宅展示場のイベントもあって、沢山の人だかりで賑わっていました。
私は、ケージに入れられた犬を見て愕然としました。
ブリーダー放棄で、精神的に不安定な子、事故で片足を失って捨てられた子、虐待にあって人間不信になっている子…。
助けてあげたい。でも、私にこの子を幸せに出来るんやろか?
もんもんとしていた時、奥のケージに小さな子猫がいるのが見えました。




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元気な白猫とは対照的な、ボーッとして一歩も動かず、何やら不機嫌そうな灰色の子猫。
青い目で、一点を見つめて、何を思っているのかサッパリ解らない。
そんな不思議な子猫から目が離せませんでした。


保護主さんと少しお話をし、その日は20組近く里親候補がいたので、厳正に考慮して連絡するとの話を頂きました。


きっと一週間程かかるだろうな、それまでに覚悟を決めようと思った私は、もうあの灰色の子猫と一緒に暮らす事しか考えていませんでした。
その日の夕方、保護主さんから
「にこしさんにお願いしようと考えています。」
と、電話があったのには本気で腰が抜けましたが、電話を切ってからはもう頭が真っ白で、終始にやけていたと思います。




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直ぐに迎える準備をし、本屋で猫のきもちの特別号を買い、ネットで知識を深め、ドキドキしながらお見合いの日を迎えました。


我が家に来た初めてのお客様。
保護主さん、娘さん、灰色の子猫、茶トラの子猫三匹…
びっくりしましたが、茶トラは当日に保護したばかりで、お留守番できないくらい小さかったので連れてこられたとか。
保護主さんは、保健所から子猫を少しでも救おうと個人で活動されていました。



娘さんは本当に可愛くて、灰色の子猫を見る眼差しがとても暖かかったのを覚えています。
本当は、灰色の子猫を自分が飼おうと思っていたくらい、気に入っていたそうです。
子猫も娘さんの後追いをして、見ていて可愛い反面、私でいいのだろうか…と不安になりました。




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銀ちゃんは、まだ目も明かないうちに、ビニール袋に兄弟まとめて入れられ、酸素が入らないくらいに袋の口を縛られてゴミのように捨てられていたそうです。
捨てられてそんなに時間が経っていなかったのが幸いして、二匹は健康状態でしたが、もう一匹は生死を彷徨う状態で病院に入院したそうです。
今ではとっても元気なイケメンにそだっています。
一度会う機会があったのですが、銀ちゃん以上にボーッとしたイケメンでした笑




最終的に、我が家に来る事になった銀ちゃん。
こんなに可愛いのに、ゴミのように捨てられた銀ちゃん。
お母さんの暖かさを知らない銀ちゃん。
そう考えると、涙が止まらず、私の膝で眠る銀ちゃんを見ては呪文のように、幸せにしたる!と言っていました。




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今はもう泣いていません。
だって、銀ちゃんは私の家族だから。
幸せに決まっているから。
甘えん坊の銀ちゃんが大好き。
ただ、呪文はまだ唱えています。




銀ちゃん、世界で一番愛してるって呪文。
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by nikoshigin | 2012-07-27 01:03 | 昔話

ぼくが「銀」になったワケ3

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僕がキャリーから出たら、あのでっかい女の人と男が居たんだ。
最初は怖かったけど、お母さんとおねえちゃんとにこにこして喋ってるから
そんなに悪いやつじゃないのかなって、安心したんだ。
それに、この二人、すっごくがちがちになってたしね。



僕は色んなところを探検したんだ。
その度に、女の人がおそるおそる僕をつかもうとするから面白くって。
いっぱいからかってやったんだ。
そしたら、お母さんが僕の話をし始めた。
僕がお母さんとであった頃の話を。
お姉ちゃんも、泣きそうになりながら、僕の話をしてた。
女の人は、真剣な顔をしてたけど、手がちょっと震えていたよ。僕、見ちゃったんだ。



お腹が空いたから、お母さんにご飯頂戴っていったら、ミルクとりにゅうしょくを出してくれた。
ミルクが飲みたかったけど、冷たくなってたし
いっぱいからかってしまって悪かったかなーって思ったから、りにゅうしょくを食べてみたんだ。
そうしたら、お母さんがびっくりしてたんだ。
『劉ちゃん、ここが気に入ったのかな!?』って。



別に気に入った訳じゃないけど、嫌いでもないかなーって思ってた。
でも、やっぱりお母さんとお別れになった時は、悲しかったよ。
あの日は、お母さんが僕を置いて出て行った所から離れられなかった。
でも、女の人が寝ないでずっと一緒にいてくれたから、僕は大丈夫だよ。







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僕の新しい名前は、「銀」になった。
僕が窓辺に行った時、うぶげが銀色に見えたんだって。
女の人は、にこしって言うらしい。男の人が言うには「超過保護」っていうやつらしい。
よくわかんないけど、僕が一番大好きだって事らしい。



にこしは最初、僕と二人きりの時によく泣いてたんだ。
「絶対、あんたを幸せにしたる」って、うるさいぐらいに言ってた。
あいつ(男)がいる時はそんな事言わないのにね。恥ずかしいのかな。




まぁ、こうして僕は「銀」になったんだ。
今もいっぱい、いたずらして困らせてやってるけど、二人ともにこにこしてる。
たまに僕もいたずらされるけど、お互い様ってとこかな?




さあ、今日もはりきっていたずらしようっとー!!


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by nikoshigin | 2012-07-26 10:00 | 昔話

ぼくが「銀」になったワケ2

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にこしと出逢ったのは、そう、ぽかぽか暖かい日だったな。
急に桜花(白猫)と一緒に、檻にいれられて、ニンゲンがいっぱいいる所につれていかれたんだ。
桜花は、色んな人に「遊んでー」って寄って行ってたけど、僕は何だか嫌だったんだ。
だって、僕はお母さんとおねえちゃんと一緒にいたかったんだもん。



僕はあの日、本当に機嫌が悪かったんだ。
知らない人がいっぱいで、疲れてたから、トイレに座って早く終われーって思ってたんだ。
そしたら、でっかい女の人がじっと僕を無言で見つめてるのに気が付いた。




桜花は、「遊んでー」って愛想を振りまいてたけど、そのでっかい人は僕をずっと見続けてた。
だから、僕は睨んでやったんだ。
「あっちいけ!!じろじろ見てるんじゃなーい!!」って。
でも、ずっと無言で見てくる。
隣に男が居て、そいつはお母さんと楽しそうに話をしてるのに、女の人はずっと僕を見てる。




なんだこいつ?って思ってたら、急に小さな声で
『自分、うちけーへん?』って、よくわからない言葉を僕に向かって喋ってきたんだ。
何だかよくわからないけど、それだけ言って、どっかにいっちゃった。
変なヤツ。僕は本当に疲れて、寝てしまったんだ。





おうちに帰って、ミルクを飲んで、僕はまた幸せに浸っていたんだ。
良かった、違う所に連れて行かれなくて。
お母さんとおねえちゃんと一緒のおうちに帰れてよかったって。
でも、あの変な女の人も気になってたんだ。ナンだったんだあいつは?って。



そうしたら、何日か後に、そいつの家に僕は行く事になったんだ・・・。


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by nikoshigin | 2012-07-25 10:00 | 昔話

ぼくが「銀」になったワケ

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僕の名前は銀(ぎん)。
3歳になったらしい。
つまり、ここに住んで3年になるんだ。


僕の名前は、最初から「銀」ってワケじゃなかった。
一番最初につけられた名前は「劉備(りゅうび)」っていうんだ。
格好いいだろ?三国志って、外国のえらい人の名前からとったって、お母さんが言ってた。



え?お母さんってにこしじゃないのかって?
違うよー。にこしは、にこしだよ。お母さんじゃない。
猫のお母さん?違うよ。僕は猫のお母さんなんて知らないもん。




僕の一番古い記憶はね、とっても寒くて、苦しくて、狭いって事なんだ。
よく解らないだろ?僕もよくわからないんだー。
シャカシャカ言って、息苦しくて、怖かったよ。
あ、でも、僕と同じ匂いの、あったかいもぞもぞ動く何かがいたから、ちょっと暖かかったかな。




助けてよって、お腹へったよって、大きな声で叫んだ時、急に明るくなったんだ。
何か周りでばたばたしてて、ちょっと怖かった。
でも、あったかいし、ミルクももらえてやっと安心できたんだ。
実は僕、そのときまだ目が開いてなかったんだよねー。
ようやく目が開いた時、同じ匂いの正体がわかったんだ。
白い女の子だったよ。僕のお姉さんか妹なんだって。




そいつ、生意気でさ。
僕が遊ぼうって誘っても、いやーって言うからよく噛んでやったもんだよ。
そうそう、そういえば、わんわん言う犬っていうのもいたよ。
後、優しいおばあさん猫もいた。
僕、そのおばあさん猫にいっぱい教えてもらったよ。
この家のお母さんってのが、僕を助けてくれたんだって。
僕にはもう一人兄弟がいたけど、病院って所で今頑張ってるんだって。





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※保護主さんのmixiから画像を拝借しました。もし問題あればご一報ください。




お母さんのくれるミルクはおいしくておいしくて、いつもいっぱい飲んでたよ。
りにゅうしょくってのを食べなくちゃいけなくなっても、
僕はミルクのほうが好きだから絶対に食べなかったんだ。
それに、りにゅうしょくを食べれるようになったら、僕は違う所に行くって聞いてたから。
僕、おねえちゃんっていう綺麗な女の子とずっと一緒にいたかったからさー(照)。
だから、意地でも食べなかったんだ。



これが、にこしと出逢う前の僕のお話。
次は、僕がにこしとであった時の話をするね。



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by nikoshigin | 2012-07-24 15:03 | 昔話